KDX125SR レストア④ エンジン分解・点検

KDX125SR

こんにちは!

マエドンです!

前回の記事では腰上を分解し、無事車体からエンジンを降ろすことができました。

エンジンを始動した際に凄まじい轟音でしたのでクランクベアリング交換はもちろん、せっかくエンジンを降ろしての分解ですので、この機会に各部点検をしていきたいと思います。

腰下分解の経験があまり無いので少し不安ですが、ゆっくり慎重に進めていきたいと思います!

それではやってみましょう!

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腰上の点検

腰下の点検をする前に、前回分解した腰上部分のパーツを点検していきたいと思います。

パーツがエンジン内部に落ちてしまわないように、ウエス等で塞いでから作業をしましょう。

ピストンの左右の穴にクリップが入っていますので、小さめのマイナスドライバーや千枚通しを使い、どちらか片方のクリップを外します。

クリップを外した方と逆側からピストンピンを押し出します。

年式相応にダメージはありますが、使えないレベルでは無さそうですので磨いてから再利用したいと思います。

前回確認したKIPSの内部もパーツクリーナーで綺麗にしました。

こんだけ汚れ落ちたら気持ちええですね

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クラッチ取り外し

ピストンも外れましたのでいよいよ腰下を分解していきます。

まずはクラッチを外すために真ん中のナットを緩めるのですが、反対側のフライホイールをユニバーサルホルダー等で固定をしないとクラッチ本体も一緒に回ってしまいます。

僕はエンジンを降ろす段階でフライホイールを外してしまっていたので、クラッチを外すために再度装着しました。

ただこのナットがびっくりするくらい硬く、全く外れません。

調べると強いトルクで一気に回すしか無いとのことで、アストロプロダクツに走りました。

ハイパワーACインパクトレンチ

本当はコンプレッサーを用意してエアインパクトが欲しかったんですが、電動でも中々のトルクですのでこいつにしました。

クラッチのセンターナットは22mmなので、車のホイール用22mmのソケットを用意して…

ガガガ!

一瞬で外れました!

これ、すごくいいです!

Dトラッカーのフロントスプロケット外すために欲しかったので買って良かったです。

センターナットが外れたらクラッチw3お抜きます。

ナットの後ろに専用のワッシャーがあり、裏表がありますので注意しましょう。

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クランクケースを割る

サイドカバーを外します。

冷却水を循環させるプロペラが錆びていますので、軽く錆び取りをしておきましょう。

プライマリーギアのナットを外します。

ここでもインパクトレンチが活躍しました。

この専用ワッシャーにも裏表があるので、組み付けの際に間違わないように写真を撮っておくことをお勧めします。

思ったよりエンジン内は綺麗でした。

古いガスケットを剥がし、いよいよクランクケースを割っていきます。

クランクケースを割るには専用工具を使うのをお勧めします。

レビューでも評判の良かったアストロプロダクツと並んで有名な工具メーカーSTRAIGHT社製クランクケースセパレーターを使いました。

汎用性が高いので、〜125ccクラスのバイクをイジる方は持っておいた方がいいと思います。

使い方はとても簡単でサイドカバーのネジ穴を使って工具を固定し、クランクシャフトを押し出すイメージです。

工具とクランクケースを平行にしないと真っ直ぐ抜けず、うまく割ることができずに工具やエンジンを痛めてしまうので慎重に作業しましょう。

うまく割れました。

クランクシャフトにベアリングが残ってしまうとベアリングを抜く工具が必要になってきますが、今回はうまくケース側にベアリングが残ってくれました。

反対側の同様に工具をセットし、クランクシャフトを抜きます。

反対側もうまく抜けました。

こちら側(車体左側)のベアリングが固着していました。

固着の原因としてはベアリングの後ろにあるシールがダメになり、クランクシャフトの部屋にオイル、水が侵入したことでベアリングがダメになったと考えられます。

トランスミッションはギア欠けもなく綺麗でした。

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クランクベアリング交換

ケースも無事割れたのでベアリングプーラーを使用しベアリングを抜きます。

カンッ!と音がして無事抜けました。

ベアリングが抜けない場合はバーナー、ヒートガン等でケースを熱すると抜けやすくなります。

ベアリングの後ろにオイルの侵入を防ぐためのシールが圧入されていますので、裏側がからマイナスドライバー等で押し出して外します。

ベアリングを入れる際は古いベアリングを当て木に使ってハンマー等で圧入します。

ベアリングも同様に古いベアリングを当てて圧入するのですが、あらかじめ新しいベアリングを冷凍庫で冷やし、クランクケースを熱してから作業をすると圧入しやすくなります。

反対側(車体左側)も同様にベアリングを交換します。

反対側のオイルシールは外側から圧入してあるので、ベアリング側から押し出すと簡単に外れます。

今回のベアリング固着の原因はこのオイルシールでした。

圧入の際はシールに傷を付けないように慎重に作業しましょう。

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クランクシャフト洗浄

取り外したクランクシャフトはかなり汚れていたので、汚れを落としてからピカールで綺麗にします。

長年オイル漬けになっていたので表面はかなり汚れていました。

純正部品も廃盤になっていますので、洗浄、注油をして再利用します。

かなり綺麗になりました。

専用機械が無いのでクランクの精密な計測はできないですが、スムーズに回りましたのでこのまま使いました。

クランクの芯出しをするには専用機械が必要であり、素人には難しい作業ですので、明らかにクランクにガタがある場合や完璧に仕上げたい場合は、業者に頼んで芯出しをしてもらいましょう。

無事にクランクケースを割り、今回キック固着の原因であるクランクベアリングを交換することができました。

次回はバラバラになったエンジンを組み立てていきたいと思います!

ほなまた!

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