こんにちは!
マエドンです!
前回の記事ではフロントフォークを車体から降ろし、バラバラにするまでの工程を紹介しましたので、今回はシールの打ち込み、組み立てまでやっていきたいと思います!
前回記事はこちら↓
組み立てについては専用工具はいるものの、要領さえ掴んでしまえば自分でできる作業でした。
注意点としては部品を入れる順番と、シールに傷を付けないことです!
早速やってみましょう!
シール類を打ち込む
フォークインナーからカラー、シールを抜くのですが、順番に並んでいますので抜く時と逆の順番で入れていくこととなります。
2番目のカラーが固着して抜けないという記事を数件見ましたが、すんなり抜けました。
今回交換するシールです。
左が組み立て後一番下にくるダストシールというシールで、名の通りゴミを削ぎ落とすためのシールです。
写真右がオイルシールというフォーク内のオイルが漏れないように食い止める、フロントフォークの中で一番大事なシールです。
純正部品番号
920931312 ダストシール
920491363 オイルシール
海外製の社外品が安く出ていますが、耐久性も考えてオイルシールについては純正部品を使用することをお勧めします。
まずは一番下にくるダストシールをフォークインナーに取り付けます。
フォークインナーの淵でシールに傷が付かないようにビニールを被せます。
サランラップやポリ袋を使う方が多いですが、丈夫で薄く、滑りやすいものを使いましょう。
僕はダストシールが入っていた袋を使用しました。
表面の保護、滑りやすくするためにグリスを塗ります。
いつもお世話になっているシリコングリスを使用しました。
傷が付かないように慎重に入れ、奥までずらしていきます。
オイルシールも同様グリスを塗り、インナーに挿れます。
オイルシールとダストシールの間にクリップがきますので忘れないようにしましょう。
オイルシールの上にワッシャー、カラー×2を挿れ、オイルシールの外側にもグリスを塗っておきます。
オイルシールを打ち込む前にホルダー(オイルシールが入るところ)とアウターの淵が面一になっている確認しましょう。
面一になっていない場合はホルダーの周りにあるイモネジを緩めて調整します。
ホルダーの調整ができたらいよいよオイルシールを打ち込むのですが、ここで専用工具の登場です。
フロントフォーク以外で使うことはあまりないですが、KDX125SRはオイル漏れしやすいという点と他のバイク整備でも使用することもあると思ったので用意しました。
色んな方の記事を参考にし使い勝手が良さそうで、値段もリーズナブルだったのでストレート社製のフロントフォークオイルプッシャーに決めました。
シールを押すアタッチメント部分が樹脂製でシールに優しく、それを押すハンマー部分が重量感があり丈夫なのでこれにして良かったですので今後も使いたいと思います。
再度シール類の順番を確認し、素手で入るところまでシールを水平に挿れます。
アタッチメントを必要あれば調整してサイズを合わせ、シールの上にセットします。
ハンマーを垂直に降ろしてシールを打ち込みます。
あまり力任せに強く打ってしまうとシールを傷つけてしまうため、入りを見ながら少しずつ叩くのがコツです。
クリップが入る溝が見えるところまで打ち込み、クリップをセットします。
ダストシールを取り付けます。
ダストシールは素手でいけました。
これで難所であるシール類の交換ができました。
ここまできたらもうこっちのもんです。
組み立て、フォークオイル注入
シリンダーユニットを入れて下のボルトを締めます。
中々ボルトが穴に合わず苦戦しました。
続いてフォークオイルを入れるのですが、カワサキ純正の15という固さのオイルを入れました。
純正は10ですので少し固めのセッティングになります。
フォークオイルの純正量は
左:477±2.5ml
右:470±2.5ml
オイルレベル
左:82±3mm
右:88±3mm
オイルレベルはスプリングなしのフォークを一番短く縮めた時の油面の高さです。
右側だけにダンパーが入っているという謎の仕様になっているので左右でオイル量が違います。
純正フォークをもう1セット用意して両ダンパー化のカスタムが定番のようなので、それはまたの機会にします。
オイルを入れたら数回ストロークさせ、垂直に立ててエア抜きをします。
スプリングを入れて組み立てる際にブッシュロッドを上に引き上げながら、スプリングをカラーで押す工程で「ブッシュロッドプーラ」という工具が必要なのですが、用意していないので考えた結果、針金を使って対応したいと思います。
針金を巻いてブッシュロッドを上に持ち上げます。
スプリング→カラーという順番に入れ、カラーでスプリングを押し下げてスプリングガイドで固定する。
文章では意味がわからないかも知れませんが、本当にこの通りです笑
スプリングガイドをナットとの間に挟みます。
針金を外すとピタッと止まります。
トップキャップを取り付けます。
キャップ下のナットをスパナで固定しながらキャップを締め込みます。
アウターを持ち上げてトップキャップを捻じ込みます。
完成しました!
反対側のフォークも同じ要領で組み立てましょう!
車体に取り付けて完成です!
フォークを取り付けてからトップキャップを増し締めします。
フォークインナー錆び取り
オイルシールもリフレッシュされましたが、フォークインナーに付いた錆や傷をそのままにしておくと、せっかく新品に交換したオイルシールに傷が付き、最悪の場合また交換しないといけない事態になってしまいます。
この機会に綺麗にしましょう!
とくに左側のフォークの内側に錆で浮いてしまっている点がたくさんありました。
浮いてしまっている部分はカッターで削ると早いです。
無理やりカッターで削ごうとすると勢い余って傷を付けてしまうこともあるので、心配な方はペーパー等で地道に削ることをお勧めします。
カッターである程度大きめの凸を削ったら、続いてスチールウールを使って錆を削っていきます。
直で削ると小さな傷だらけになってしまうので、一家に1本はあるKURE社の5-56を吹きかけてから使用しましょう。
5-56はゴム素材を攻撃してしまう性質があるようなので、マスキングした方が良いでしょう。
力を入れすぎず必ず水平方向に磨きましょう。
垂直方向に磨いてしまうと、表面の垂直方向についた傷からオイルが漏れてしまう可能性があるようです。
続いて耐水ペーパーで表面を整えます。
表面がまだ凸凹の場合は800番〜1000番へ番手を上げていくと良いでしょう。
こちらも5-56を水代わりに吹いてから水平方向に磨きます。
爪で表面を触っても引っかからない程度まで根気よく仕上げていきましょう。
写真を撮り忘れましたが、この後コンパウンドを使用し、粗め〜細かめへと仕上げて完成です。
表面に残った5-56の油分をパーツクリーナー等で脱脂をし、ウェスで汚れを拭き取ったら錆止めのためにシリコンスプレーを薄めに塗り完成です。
5-56、シリコンスプレーは潤滑剤のため、くれぐれもブレーキローターにかからないよう注意してください。
以上でフロントフォークのオーバーホールが無事完了しました。
バイクショップ等でも工賃が高く、敷居の高い作業ではありますが、どの車種でも工程としては大体同じで、車体を持ち上げてフロントフォークを取り外せる事さえできれば自分でできないことはありません。
オーバーホールをして乗ってみた感想としては、底付きが無くなりフロントブレーキ使用時にかなり安定するようになりました。
オイル漏れ等目に見える症状が無いと後回しにしてしまう箇所ではありますが、オイル漏れは無くともオイル等が劣化していきますので、何年もオーバーホールしていない方も一度リフレッシュしてみてはいかがでしょうか!
ほなまた!
コメント