こんにちは!
マエドンです!
前回までの記事でエンジンをバラバラにするところまで行きました!
エンジンをバラすことなんて滅多に無いことなので、シール、ベアリング関係はこの機会にリフレッシュしたいと思います!
無事に組み立てて積み込むことができるのか!?
早速やってみましょう!
クランクベアリングベアリング、シールの交換
今回のキック固着の犯人であるクランクベアリングを新品に交換するのですが、このクランクベアリングがダメになる原因としては、ベアリングの外側にあるシールの劣化です。
シールが劣化することによりミッションオイル、異物、水分等が侵入し、ベアリングがダメになってしまうケースが一般的です。
また車種によってはクランクケースを割らずに両サイドから交換をする車種もあれば、KDXのように片側のみクランクベアリングを外さないと交換できないものもありますので、サービスマニュアルなどで確認してから作業するようにしましょう。
どちらにしてもベアリング、シールは消耗品なので、エンジン」をオーバーホールする際は毎回交換することをお勧めします。
まずはシャター右側(クラッチ側)のクランクベアリングを入れます。
熱による膨張、収縮を利用しするため、ベアリングは前日から冷凍庫で冷やして収縮させ、クランクケース側は熱で膨張させるためにバーナーで炙ります。
この際油分等が残っていると引火する恐れがありますので十分に注意して下さい。
バーナーで炙り、水滴を垂らして「ジュッ」という音がすれば加熱は十分です。
冷やしたベアリングを斜めにならないよう慎重にはめ込み、古いベアリングを上に載せてハンマーで打ち込みます。
ネットでベアリングがスコっと入るという記事を見かけますが、僕の場合は炙りが足らなかったのか強めの打ち込みが必要でした。
クラッチ裏周辺を点検していると、矢印の位置にあるべきギアがないことに気付きました。
こちらに入るギアはエンジンの動力を使って2ストオイルのポンプを回すための非常に大事なギアでした。
前オーナーはおそらくガソリンタンクに直接2ストオイルを入れる、いわゆる混合仕様で乗っておられ、今後はオイルをオイルタンクからの供給にするためにこちらのギアを探しましたが、純正部品は既に廃盤になっていました。
某オークション等でも中々出ておらず、樹脂製のためヒビが入っているものしか探すことができなかったため、応急処置としてヒビが入っているものを落札しました。
続いて左側(ジェネレーター側)のベアリングを変える前に、シフト、ドライブシャフトのシールを交換します。
どちらもマイナスドライバー等でケースに傷がつかないように外しましょう。
ベアリング、シールを打ち込む際にこちらの工具を使用しました。
古いベアリング、シールを当てて圧入する方法でもいいですが、様々なサイズに対応していますので、エンジン等交換箇所が多い場合にはとても重宝するのでお勧めです。
新しいシールをグリスアップします。
スムーズに入りました。
写真を撮り忘れましたがこちら側はクランクベアリングを圧入する前にベアリングシールを、古いシールを使って打ち込みます。新しいシールが斜めに入らないように、傷がつかないように注意しましょう。
ベアリングについては反対側と同様熱膨張、収縮作戦で圧入します。
クランクの装着
クランクを装着しクランクケースを閉じるのですが、液体ガスケットを塗ります。
車種によっては専用のガスケットがあるのですが、KDXの場合は液体ガスケットを使用しての組み立てです。液体ガスケットにも各社種類がたくさんあるのですが、個人的に満遍なく、塗り忘れの内容に色がわかりやすいHolts社製の液体ガスケットを使用しました。
クランクを入れる際には片側ずつ、クランクインストローラーという特殊工具を使いました。
工具をクランクシャフトに装着して引っ張るようなイメージですが、力を入れることなくすんなり入りました。引っ張りすぎるとケースにクランクが当たってしまい回らなくなてしまいます。
ケースとクランクのクリアランスについて、広すぎる場合に引っ張って微調整する分には楽なのですが、狭すぎてしまうとまたクランクケースセパレーターという工具を使っての調整になってしまうんで、余裕を持って(隙間が広めで)おく方が良いと思います。
続いて反対側(ジェネレーター側)ですが、矢印のドライブ、シフトのシャフトでシールを傷付けないように十分注意して取り付けましょう。
追記 結果シールを傷付けてしまい後で交換することになりました。
詳しくはこちら↓
僕はこの作業でドライブシャフトのシールを痛めてしまいオイル漏れが発生してしまいました。
後日積み込んでからドライブシャフトのシールを交換する記事をアップしますので、そちらも参考にしていただければと思います。
反対側もクランクシャフトを引っ張り、ボルトを規定トルクで締めてクランクケースを閉じます。
左右のクリアランスが同じぐらいの幅になるように微調整します。
ジェネレーターを取り付けます。
フライホイールを取り付ける際には特殊工具は必要なく、ユニバーサルホルダーを使ってセンターナットを締めます。
クラッチ側を組み立てていきます。矢印のカラーを忘れないように注意しましょう。
クラッチを装着しセンターナットを規定トルクで締め込みます。
ガスケットを置いて蓋をします。
こちらにガスケットはミッションオイルをシールする役割があるので、再利用せずに新品を使用しましょう。
完成までやってしまうと長い記事になってしまいますで、腰上の組み立て、積み込みは次回の記事で紹介したいと思います。
ほなまた!
コメント